肉の大半はフライパンではなく、冷蔵庫で無駄になる。傷みやすさを決めるのは三つ——表面積、脂、温度。
塊のままのローストが持つのは、表面が小さいから。薄く切るか挽くと表面は爆発する——だから挽き肉が最初に傷み、だから挽き肉は中まで火を通さなければならない。
冷蔵
冷凍
この目安は冷蔵≤4°C、冷凍≤−18°Cを前提にしている。冷凍期限を過ぎても通常は安全だが、風味と食感は落ちていく。
安全な解凍
冷蔵庫解凍
12–24時間
もっとも安全で、品質にもいちばんやさしい。汁が垂れないよう皿にのせ、冷蔵庫の最下段へ。この方法で解凍した肉は、火を入れていなければ一日〜二日以内に再冷凍できる。
冷水解凍
1–3時間
密封したまま冷水に沈め、三十分ごとに水を替える。解けたらすぐ火にかける。ぬるま湯は表面を細菌の危険帯に長く置く——使わない。
電子レンジ解凍
数分
いちばん速いが、食感にはいちばんきつい——端から火が入りはじめる。すぐ焼くときだけ使い、この方法で解凍した肉は再冷凍しない。
カウンターの上で解凍してはいけない。中心がやわらかくなるあいだ、表面は細菌がいちばん増える5–57°C帯に何時間も置かれる。
熟成
ウェットエイジング(真空)
7–28日
0–2°Cの真空パックで寝かせる——スーパーの牛肉の多くがすでに通ってきた道。水分ロスは少なく、肉はやわらぐが、香りはほとんど変わらない。
ドライエイジング
21–60日
湿度と風を管理した部屋に塊を吊るす。水分が20–30%落ち、風味が凝縮してナッツのような香りが立つが、表面のクラストは削ぎ落とす必要があり、総ロスは30%を超えうる。そのトリミングが、値段の理由。
厚く脂の帽子がついた塊(リブアイ、サーロイン)だけが向く。薄い・脂の少ないものは、ただ乾くだけ。
家庭の冷蔵庫でラップなしに置くのは、熟成ではなく乾燥と酸化。安全なドライエイジングには専用の温度・湿度・風が要る。